国立公園の空と地面を散歩する
ギジ録 コスタリカ探訪 その7
このギジ録はあちこちに話が飛びまくってしまう。
これはひとえに筆者の悪い癖のせいだ。
これからも直らないかもしれない。
プラビーダ精神で寛容にお許しいただきたい。
さて、話は2000年に戻る。
初めてのコスタリカ訪問だ。
あれから 20年以上も過ぎてしまった。
事細かな記録より、今でも覚えている記憶を綴りたい。
空港からは、事前に予約したタクシーで移動。
首都のサンホセ中心地までは小1時間。
既に夜で、空は真っ暗だった。
サンホセ中心部の北東の丘の上にあるホテル。
入口は鉄の格子の門があり、鍵がかかっている。
ベルを押して解錠してもらわないと入れない。
泊まる側としてはそのほうが安心だ。
中規模のそのホテルは、豪勢でも粗末でもない。
予算に見合ったちょうどよい宿だった。
コスタリカの面積は5万平方キロ強。
九州と四国を合わせたくらいの広さだ。
なので、国内の移動は主に陸路となる。
首都サンホセは国の中央にあり、 あらゆる旅の起点となる。
国内各地に高速バス網が広がっているのだ。
2000年の旅も、サンホセを起点に数か所を回った。
まず、ブラウリオ・カリージョ国立公園。
エアリアル・トラムというゴンドラがあることで有名だ。
原生林を伐採せずに観察できるようになっている。
建設時にも資材をヘリコプターで運び入れたそうだ。
森林を切り拓くことを極力避けるために。
そのトラムに乗ってみる。
が、その前に研究者の解説のビデオを見ることになっている。
観光メニューとして段取りができ上がっているらしい。
こんどこそトラムに乗ってみる。
確かに地面より高い視点から森を見るのは楽しい。
そして、目の前をモルフォ蝶がヒラヒラと舞った。
モルフォ蝶は人間の掌ほどの大きい蝶だ。
羽の上面は鮮やかな青。
サンゴ礁の海のような色だ。
一方、下面は茶と黒の混じった模様。
獣の目のようなその模様は一種の擬態か。
身を守る効果があるのだろう。
表と裏。似ても似つかない。
まったく別の姿を持っている。
初めて生で見て、素直に感動してしまう。
さっき見たビデオでは米国人研究者が語っていた。
この熱帯林の価値。
ここでの研究の意義。
そして、空中トラムという革新的な乗り物について。
ビデオとトラムだけでは少々物足りない。
そこで、いくつか設けられている遊歩道に行ってみる。
しかし、空中散歩が売りのこの場所。
せっかくの熱帯林だが、地面を歩く人は少ないらしい。
なので道は少々荒れていた。
蜘蛛の巣も多く、油断していると顔が蜘蛛の糸だらけになってしまう。
歩き終えて食堂に行く。
外国からの観光客も多いこの保護区。
建物やロゴマークなどのデザインは洗練されている。
食堂前の庭ではピソテたちが集まっている。
Pizote。ハナジロアナグマ。
スタッフから餌をもらっているようだ。
野生動物に餌付けしているのを保護区で目の当たりにする。
正直、少し違和感あり。
お客さんへのサービス精神からのことだろう。
だから、頭ごなしに批判することはしたくないけど。
こうして、コスタリカで初めての国立公園訪問が終わった。
わずか半日の滞在で、すぐに次に向かう。
写真はハキリアリ。文字通り、葉を切って巣に運んでいる。
コスタリカではよく見る。
こちらは大興奮なのだが、ティコやティカたちは無表情。
生まれてからいつも見ているので当たり前すぎるらしい。
(本文とは関係ありません)
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