緑の山へ

ギジ録 コスタリカ探訪 その8


モンテベルデという場所がある。

Monte(山)とVerde(緑)が合体した地名。

日本語だと「緑山」。

ドラマの撮影スタジオの名前として聞いたことがある。


試しに検索してみると、世界のあちこちに同じ名前の場所がある。

筆記具のブランド名にもなっている。


コスタリカにあるモンテベルデ。

熱帯雲霧林が広がるこの地区はエコツアーで有名だ。

モンテベルデには3つの自然保護区がある。

どれも民間の活動が母体である。

その一つが熱帯科学センター。

英語だとTropical Science Center (TSC)。

スペイン語だとCentro Cientifico Tropical (CCT)。

スペイン語の略称CCTは「セセテ」と読む。

CCTが管理する保護区がある。


次にコンサベーション・リーグ(Conservation League)。

スペイン語(英語混じり)の正式名称は、

Asociacion Conservacionista de Monteverde Conservation League。

各方面から資金を集め、広大な森林保護区を作った。

その保護区の名は「子供たちの永遠の雨林」

(Children’s Eternal Rainforest)。


3つめの保護区はサンタ・エレーナ保護区。

地元の人たちが主導して設立された。


3つの保護区を合わせると、面積は300平方キロメートルに迫る。

これは、鹿児島県にある徳之島より大きな面積である。


なぜ徳之島を比較対象にしたかというと、

コスタリカ全体の面積(約51,000平方キロメートル)が

「九州と四国を合わせた大きさ」と例えられることが多いから。

なので九州・四国のなかで比較対象を探したわけだ。

といっても、徳之島に行ったことないので、

書いている僕自身があまりピンと来ていない。

(ダメだこりゃ)

さて、例によって首都サンホセからバスで北西に向かう。

モンテベルデに近づくにつれ、険しい山道となる。

時には断崖の途中に切り拓いた道をバスは走る。


崖の下に目をやる。

バスが転落したらまず助からないだろうな、とゾッとする。

対向車とすれ違える幅もないカーブ。

見えないその先から急に対向車が来たりしませんように。

自分が運転しているわけではないが、祈るような気持ちになってしまう。


無事に到着し一安心。

ちょっとした町があり、観光客向けのサービスも一通りある印象。

タクシーに乗って宿に向かう。

町中でもアスファルト舗装はなく石がゴロゴロしている道。

聞けば、道路の舗装は長年の懸案。

舗装するのは簡単にできるのだが、懸案は別のところにある。

舗装すべきでない、という声も地元住民に根強くあるそうなのだ。

簡単にアクセスできるようになれば、 大型バスによるマスツーリズムが増えてしまう。

そして、観光客は短い滞在で帰ってしまう。

地元にお金が落ちず、負の影響だけ残ってしまう、という懸念である。


なるほどー、と感じさせる。

不便さが時には大事な役割を果たすこともあるのか。

着いて早々に色々なことを教えてくれるモンテベルデであった。


写真:モンテベルデではないがコスタリカで出会ったナマケモノ。

朝陽を浴びて身体を温めているらしい。

遠くから撮ったので画像粗いのはご容赦ください。


Giji Rockerのギジ録工房/Giji Rock Workshop

ギジ録。それは疑似的な議事録。 愛おしい時間の記憶。それを書き留めた記録。 100%正確とは限らない。 誇張や捏造が紛れているかもしれない。 だから議事録でなく、ギジ録。 ほぼ実話(99%)から、ほぼ作り話(1%)まで。 疑似度はそれぞれのギジ録ごとにまちまち。 アホらしいのは百も承知。 軽やかに笑い飛ばしてお許しください。 Gijiroku Rocks!