緑の山へ その2
ギジ録 コスタリカ探訪 その9
山深い高地、モンテベルデ。
夜は結構涼しい。
宿では毛布が用意されていた。
朝食を済ませ宿を出発。
CCTの保護区まで徒歩で向かう。
舗装こそされていないが整備された山道。
程なくして、前方に犬を発見。
一瞬、ドキッとする。
そこそこ大型の犬だ。野犬?
ちなみにコスタリカではどこでも野良犬が多くいる。
街中でも自由に徘徊している。
日本でも昭和の途中まではきっとそうだったのだろう。
コスタリカの街中の食堂で食事していると足元に犬が来ることが多くある。
食べものを欲しいのだ。
それは、人にも犬にもごく当たり前の光景なのだろう。
皆当たり前のように振る舞っている。
そうした野良犬の多くは哀愁漂う上目遣い。
「腹減ったよー(いつもだけど)。何かちょーだいよー。」
そのように乞う感じの表情だ。
ところが、いま山道で出会った犬は、そのような弱弱しさと無縁。
肉付きもよく、かなり強そう。
表情にも自信がみなぎっている。
こんな山中で噛まれたりしたら大変。
刺激しないように静かにやり過ごすことにしよう。
ところが、しゃがんでいた犬がスクっと立ち上がる。
おっ、まさか攻撃してくる気ではあるまいな?
にわかに緊張が走る。
とりあえず犬がこちらに向かってくる気配はない。
保護区に向かうこちらの少し前を歩き始めた。
こちらの歩く速度に合わせてゆっくり進む。
曲がり角では後ろを振り返ってこちらが来ることを確認。
これはまるで「案内犬」ではないか!
観光客を先導して歩く。
すると、その観光客から食べものをもらえる。
…というパターンができあがっているのだろうか?
だとしたら賢いね。
僕は基本的に野生動物に餌をやらないことにしている。
なので、案内してくれる犬には申し訳なく思う。
ごめんねー。
案内は10分以上続く。
しかし、ある地点で急に道端にしゃがみ込んだ。
それっきり歩いてこなくなった。
縄張りの端に来たのだろうか?
恐らく犬はそこでビクター犬のように静かにたたずみ
(という例えは通じるかしら? 置物です…)、
今度は保護区から出てくる人の帰路を案内するのだろう。
一種のシャトルサービス?
写真:モンテベルデでなく、案内犬でもないが、コスタリカの犬。
この2匹は農家の飼い犬。
ジャガーが夜中に来て鶏を襲ったりするのを防ぐ番犬として活躍。
※本文とは関係ありません。
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