亀の浜へ その2
ギジ録 コスタリカ探訪 その14
船でしか行けないというトルトゥゲーロ。
岸に着き、宿にチェックイン。
新しくてきれいな宿だ。
美しく整備された庭。
その庭には未完のプール設置工事。
いわゆる「リゾート地」の景色を作ろうとしている
それも、かなり人工的に。
こういうものじゃないんだけどなー、こちらが求めるのは。
心のなかで呟く自分がいる。
それとも、こういうものを求める客が多いのだろうか?
宿の人たちの応対は丁寧だった。
エンリケによると、このあたりに住むのはニカラグアから来た人たちとのこと。
国境が近いので、それはなるほどという感じだ。
宿に着くと夕闇が既に迫っている。
暗くなると、最大のアトラクションの時間帯だ。
エンリケに連れられて、再び水路をモーターボートで移動する。
船着き場から岸に上がる。
この水路と、海に挟まれた陸地の奥行は恐らく100メートルくらいだろうか。
このあたりは地面がそれなりに安定しているらしい。
家屋が立ち並び、ちょっとした村ができている。
海に向かって歩く。 砂浜が広がっている。
暗い砂浜の上をうごめくものがいる。
それがウミガメ。
トルトゥゲーロの地名のとおり、最大のアトラクションだ。
「僕が声を掛けるまでここでじっと動かないように。」
エンリケが言う。
ウミガメが砂を掘り始めると、エンリケは背後に近づいて様子をうかがう。
しばらくすると、エンリケから合図がかかる。
「よし、近くに来てもいいよ。」
恐る恐る近づく。
エンリケが懐中電灯の光を当てた先にはウミガメのお尻。
ピンポン玉のような卵がぽこぽこと穴に落ちていく。
おーっ、テレビでしか見たことのない光景に興奮。
「警戒すると産卵しなくなっちゃうから近づいてはダメ。
だけど、産卵が始まるとトランス状態になるから大丈夫。」
エンリケはそう説明した。
母亀の顔を見る。
涙目になっている。
産みの苦しみで泣いているのか?
実際は単に目の乾燥を防いでいるだけかもしれない。
でも、その表情(?)を見れば自然に応援してくなってしまう。
産卵を終えると、砂を埋め戻す母。
疲れ切っているだろうに、4つの足を懸命に掻いて砂をかける。
そして、海に戻っていく。
おごそかな一連のできごとであった。
写真:コスタリカの典型的な朝食。
赤飯のようなものがガジョ・ピント。
小さい黒豆とコメを炒めたもので、コスタリカの国民食(?)だ。
トルティーヤとスクランブルエッグが脇を飾る。
※本文とは関係ありません。
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