サンカルロスでのフィールドワーク 2
ギジ録 コスタリカ探訪 その22
2004年1月下旬のある日の早朝。
まだ空も暗い朝6時。
首都サンホセ中心部の西の外れにあるレストランの前。
早すぎてレストランは閉まっているが、ここが待ち合わせ場所。
確かに幹線道路沿いの分かりやすい場所にある。
1台の自動車が停まる。
カルロスさんとマグダさんの夫婦が乗っている。
僕は後部座席に乗せてもらう。
サンカルロスに向けて出発。
数日前に会ったときは父親のビクトルさんと一緒だった。
なので、主にビクトルさんが話をしていた。
今回はカルロスさんが主に話してくれる。
車中での会話は、お互いを知る貴重な時間となる。
奥さんのマグダさんは弁護士とのこと。
この家族事業の法律的な手続きなどを支えているそうだ。
車の後部には既に多くの物資が積まれている。
食料や洗剤などロッジの必需品の補給のためである。
途中でも店によって調達する場面もあった。
月2回ほどの頻度でロッジに行くそうだ。
1回につき2、3日くらい滞在して、また都会の自宅に戻る。
それが基本とのこと。
ビクトルさんはそこまで頻繁には現地に行かない。
経営の実務は実質的にカルロスさんに引き継いでいるらしい。
山道を越え、コスタリカ北部の低地を車は走る。
ピタルという街を過ぎれば舗装のない砂利道。
しっかりした四輪駆動が必要な理由が分かる。
正午頃にロッジに到着。
車がロッジ入口に停まると、スタッフの男子2名が素早く出迎えに来た。
彼らは、カルロスさんにきちんと敬意を払って挨拶。
カルロスさんは僕のことを彼らに紹介してくれる。
彼らも自ら名乗って挨拶してくれた。
比較的小柄なほうがアルベルト。
大柄なほうがドミンゴ(ともに仮名)。
2人は慣れた手つきでテキパキと荷物の搬入。
指示を待つまでもない。
車からロッジの倉庫にどんどん運ぶ。
僕も荷物の運び込みを手伝おうとする。
疲れているだろう、いいよいいよ。
彼らはそう僕に笑顔で言う。
でも、今日から僕はボランティアスタッフ。
お客さんではない。
なので、一緒に搬入をやらせてもらう。
アルベルトは30代後半くらいの印象だった。
僕と近い世代のようだ。
人当たりがとても丁寧で柔和。
ドミンゴは長身で筋肉質。
運動神経よさそう。
頭は坊主刈りだった。
いよいよこの地での滞在が始まった。
写真:サンカルロス郡のロッジ。
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