サンカルロスでのフィールドワーク 3
ギジ録 コスタリカ探訪 その23
サンカルロス郡のロッジに到着すると、物事はすぐに動き始めた。
カルロスの車から物資を下ろし、倉庫に収納。
次に、僕が寝泊りさせてもらう客室の鍵をもらった。
大きなバックパックを部屋において、すぐに食堂に行く。
先ほどの男子スタッフ2名以外にもスタッフが働いている。
まず、大柄の男子が出迎えてくれた。
流暢な英語。
現場に常駐するマネージャー。
ヨーロッパから奥さんと幼い子供を連れて住み込んでいる。
厨房にいたのはサンドラさん。
孫がいるそうだからおばあちゃんということか。
でも、そんな歳には見えない。
落ち着いた物腰。穏やかな人のようだ。
客室の掃除を終えて食堂にきた女性2名。
ひとりはリアナさん。
僕のそれほど変わらない年代かな?
目がクリっと大きくて表情が豊か。
もうひとりはカルメンさん。
きりっとしたクールビューティ。
20代前半だろうか。
彼女たちと最初の挨拶を交わす。
これからしばらく同僚となる大切な人たちだ。
さて、食堂に入ってカルロスが最初にしたこと。
それは、入口近くの冷蔵庫からビール瓶を1本取ることだった。
栓を抜くと、それはうまそうにゴクゴクと最初の人口を喉に流し込んだ。
早朝から遠路はるばる運転してきた疲れを癒すように。
カルロスがビールを取り出した場所。
それは、食堂入口に設えられたバーのような空間だった。
最初の一口を飲んだあと、カルロスはカウンターの書類に何やら書き込んだ。
「君もビール飲むかい? 1本目は僕のおごりだ。」
カルロスの招待を喜んで僕は受けた。
「ここに印を付けるんだ。」
カウンターの書類の左端にはスタッフ全員の名前が縦に並ぶ。
僕の名前も一番下にカルロスがいま書き加えてくれた。
「飲みものを飲んだら、毎回、ここに印を付ける。
月ごとにまとめて精算する仕組みだ。」
日本だと「正」の字のように数を集計するやり方。
なるほど。 食堂にいるスタッフと挨拶がわりの乾杯。
熱帯の気候なので、ビールが喉に刺さるようにうまく感じる。
カルロスと現地マネージャーは仕事の相談を手短にしている。
今日明日の宿泊客の数や予定についての確認など。
「このあと、1時半から森を歩こう。」
カルロスがにわかに僕に言う。
原生林のジャングルがこのロッジの売りのひとつ。
到着早々に案内してもらえるとは嬉しい。
この日はかなりの早起きで少々疲れていた。
でも、森を歩けることに僕の心は踊っていた。
写真:ロッジの食堂。眺めが素晴らしい。
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