タラマンカでのフィールドワーク 1
ギジ録 コスタリカ探訪 その31
コスタリカ国内のいくつかの地域を訪れた。
もちろん、国全体のなかのほんの一部にすぎないけど。
そのなかで、2004年に長めの滞在をした2か所の農村。
それらが僕にとってコスタリカの印象の大きな部分を占めている。
サンカルロス郡にある村と並ぶもう一つが、タラマンカ郡にある村だ。
そのタラマンカの村には協同組合があり、僕は前の年から注目していた。
共有林を保全・活用しながら豊かさを求めている事例。
インターネットで調べていたときに、複数の情報源で紹介されていた。
僕がそのとき研究しているテーマの模範例だという印象を受けた。
ぜひ訪れて学ばせてもらいたい!
そう僕は思った。
情報源にメールアドレスが載っている。
そこで、たどたどしいスペイン語でメールを留学先のカナダから送った。
ボランティアとして滞在させてもらいたい、という希望だ。
しばらくすると短い返信が届いた。
「ここにぜひ来てください。インターネットはないけど。」
要点はそのようなことだった。
インターネットの件は、僕が最初に送ったときに質問したからだ。
サンカルロスの村から一旦サンホセに戻ったときに電話してみる。
スペイン語と英語を組み合わせて何とかやり取り。
そして2004年2月初め。
僕はサンホセから長距離バスに乗った。
まず北上したバスは山を登る。
蓮のような大きな葉を持つ植物が斜面に多くある。
やがて坂は下りになる。
Continental Divide(大陸の分水嶺)を超えたらしい。
これまでは西側、つまり太平洋側の斜面。
ここから先は東側、つまりカリブ海側の斜面。
坂を下りきると平坦な低地。
しばらくするとリモンという港町に到着。
ここでトイレと昼食の休憩を取る。
リモンを出ると、ほどなく左に美しい海が見える。
窓のすぐ外はカリブ海。
海岸の道をバスは走る。
カウイータという海辺の町。
ここには国立公園がある。
2001年にエコツーリズムのフィールドトリップで来たことがある。
今回は通過する。
さらに海岸沿いを進むとプエルト・ビエホに着く。
「古い村」という意味だ。
カウイータより観光で賑わっている。
ヒッピーが集まっている印象もある。
やがて、ブリブリという町に着く。
プエルト・ビエホでは主に観光目的の人が乗り降りしていた。
ブリブリではコスタリカ人の乗客も乗り降りする。
このあたりの住民がサンホセに行く足として高速バスがあるのだろう。
ブリブリを発車したバスは南東に進む。
バナバ農園が車窓に広がる。
2004年当時は途中から道路の舗装が途切れ、砂利道になった。
そして、シクサオーラに到着。
ここが終点だ。
シクサオーラは国境の町。
橋を渡った先はパナマである。
僕が目指す村は、パナマと逆方向に少し戻ったところにある。
村に着くまで、まだ少しの移動が残っている。
タラマンカを走るバスの車窓の風景。コスタリカとパナマ両国にまたがる国際平和公園La Amistadを望む(2004年撮影)。
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