タラマンカでのフィールドワーク 3
ギジ録 コスタリカ探訪 その33
コスタリカは東西両方で海に面している。
東海岸の一番南東の端。
そこにタラマンカ郡がある。
国境がすぐそばにあり、それを超えれば隣国パナマである。
そのタラマンカ郡のMという村に着いた日。
17時を過ぎると、明るかった空もみるみる暗くなっていく。
そんな頃、子供たちが学校から帰ってきた。
先に帰宅したのは小学生の女子と男子。
徒歩4、50分かけて登下校しているとのこと。
その女の子は11歳で、7番目の子とのこと。
そんなに子だくさんとは!
同い年の男の子は、長女の子とのこと。
えっとー、つまり女の子から見て男の子は甥?
男の子から見て女の子は叔母さん?
同い年だけど、そういうことになるのだろう。
ルーカスさんとオリビアさん夫妻から見ると、娘と孫ということになる。
夫妻の長女は既に結婚して、タラマンカ郡の別のところにいる。
その長女の子どもである11歳の男の子。
健康上の理由で、この家で暮らしているとのこと。
バナナ農園の多いタラマンカ。
農薬散布の影響が比較的避けられるこの家を選んだそうだ。
ちなみに、この家では生活用水は地下水だ。
家のすぐ前の地上2メートルくらいのところにタンクが設置されている。
時々ポンプで地下から汲み上げた水をそこに貯めている。
飲み水もその水を使っている。
雨水を貯める方法のほうが手軽。
しかし、近隣のバナナ農園の農薬の影響を避けるために地下水を使っているとのこと。
ある程度深い地下水は、地中で濾過されているのでより安全だそうだ。
実際、僕はここで暮らすあいだ、蛇口から出るこの地下水を日々口にした。
そして、お腹をこわしたりすることは一度もなかった。
ほどなく他の3人の子供たちも帰ってきた。
女子2人。18歳の三女と16歳の四女。
そして、14歳の男子が次男とのこと。
彼らは、スクールバスで高校に通っている。
高校はコレヒオ(colegio)と呼ばれている。
英語だとカレッジ(college)だから大学かと思いきや高校なのだ。
スクールバスに乗る場所と家の間は徒歩らしい。
僕の記憶が正しければ徒歩2、30分。
僕がシクサオーラからタクシーで来るときに最後に左折したあのあたりかな?
そう想像した。
高校では制服が徹底されているらしい。
上は水色のシャツで、下は紺色のズボンだった。
女子はズボンかスカートか選べるらしい。
きちんとした印象。
彼らは帰宅して、僕と挨拶と握手を交わしてくれるとすぐに着替えた。
そして、来ていた制服を上下とも洗濯機に入れて洗った。
毎日洗っているとのこと。
熱帯の暑い地域だから、汗もたくさんかくのだろう。
洗濯機は電気で動く二槽式。
自分の実家にあったのと同じような種類。
それを譲り受けて、実は自分も日本でまだ二層式を使っていた。
なので、親しみを覚える。
洗濯機だけでなく、先ほどから家のなかの照明も点いている。
ということは、電気が通っているのだろうか?
外に電線は見なかった気がするが。
聞いてみると、そうでないという。
この家の屋根の上に太陽光発電のパネルがあるとのこと。
自家発電しているのだ。
昼間に発電して、ある程度充電できるので夜にそれを使う。
ただし、充電できる量に限りがあるので大切に使っている。
そういった暮らしぶりをひとつずつ学ぶ日々が始まった。
写真:屋根の上に設置された太陽光発電パネル(2004年撮影)。
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