タラマンカでのフィールドワーク 4

ギジ録 コスタリカ探訪 その34


タラマンカの農村滞在初日。

家族全員との最初の会話が一通り終わると、夕食の時間になる。


僕にもオリビアさんが用意してくれる。

ひとりずつのワンプレート。

全員揃ってということでなく、みなそれぞれのタイミングで食べる。


お米と豆が主食。

日本の米より粒が少し小さい。

豆も小豆(あずき)のように粒は小さめで、小豆より黒っぽい。


米は最初は炒めて、途中で水を加えて蒸すようだ。

リゾットに近い調理法だろうか。

ただし、アルデンテのように芯を残すわけではない。

豆にも水を加えて煮る。

日本のおせち料理で黒豆を食べるが、ぱっと見はそれに少し似ている。

ただし、コスタリカでは味付けは甘くなく、塩味が基本であるが。


コスタリカの食事では、調理されたバナナが副菜として加わることもある。

我々がよく知っている甘いバナナが炒められて「おかず」となることを知った。

甘くない食用バナナ(platano)も用いられる。

これが揚げられてチップスのようになる料理は塩味も効いて美味だった。


日によって肉や魚が皿に載ることもあった。

育ち盛りの子供たちが多くいる家庭。

オリビアさんが工夫していることが窺えた。


残念ながら料理でお返しできないので、せめて進んで洗い物をすることにした。

子どもたちは、自分が食べ終わったあとに自ら洗ったりもしていた。

でも、少し皿やカップが流し台にたまっていれば、まっさきに洗うようにした。

この程度ではとても返せない恩を僕は感じていた。

よそから来た僕にまで同じく食事を用意してくれること。

感謝の気持ちは、この最初の夕食をいただいたときから今まで変わらない。



写真:この過程でのある日の夕食。レギュラー陣の米と豆に加え、この日のメインはオムレツであった(2019年撮影)。

Giji Rockerのギジ録工房/Giji Rock Workshop

ギジ録。それは疑似的な議事録。 愛おしい時間の記憶。それを書き留めた記録。 100%正確とは限らない。 誇張や捏造が紛れているかもしれない。 だから議事録でなく、ギジ録。 ほぼ実話(99%)から、ほぼ作り話(1%)まで。 疑似度はそれぞれのギジ録ごとにまちまち。 アホらしいのは百も承知。 軽やかに笑い飛ばしてお許しください。 Gijiroku Rocks!